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BRING ME THE HORIZON来日インタビュー 彼らが痛みを歌うわけ - CINRA.NET(シンラドットネット)

2004年にイギリス・シェフィールドで結成されたBRING ME THE HORIZON(以下BMTH)は、2005年のデビュー以来メタルコアやデスコアの枠にとどまらず、作品ごとに大胆にスタイルを変えながら表現を進化させてきた。

全米・全英チャート初登場2位という過去最高の成績を収めた前作『That's the Spirit』から約3年半。今年1月にリリースされた最新作『amo』ではかつてないほどメロディアスでポップな面を見せた一方、プライベートで離婚を経験したオリヴァー・サイクス(Vo)の歌詞にはこれまでと同じく自らの痛みや心情が正直に綴られていた。暗闇の中にいるキッズたちの救いであろうとする姿勢を貫きながら、音楽面では同じ場所にとどまることをしない彼ら。ヒップホップやR&B、ポップスがチャートを席巻する今日、BMTHはロックバンドとしての自らをどのように更新しようとしているのだろうか?

彼らはこの11月に『SUMMER SONIC』に続く今年2度目の来日を果たし、かねてより交流のあったBABYMETALのワールドツアーさいたまスーパーアリーナ公演、大阪城ホール公演にゲスト出演した。ポップミュージックを射程に捉え、幅広い層の聴き手を取り込んだ『amo』は、『第62回グラミー賞』最優秀ロック・アルバム部門にノミネートされたことが発表されたばかり。いまや欧米のアリーナを埋めるロックバンドへと成長したBMTHが語ってくれたのは、変わることを恐れない強い意思と、ユース世代への真摯な思いだった。

『amo』では、ファンがどう思うかも気にしないで、あえてリスクをとって挑戦したんだ。(オリヴァー)

―2015年の『That's The Spirit』、そして今年の『amo』で、歌にしても音楽としてもアリーナクラスを巻き込むスケール感を手に入れて、世界規模での活動やツアーを展開されてきましたよね。今年5年ぶりの来日公演を開催したことを含め、ご自身ではどういう手応えを持っていますか。

オリヴァー(Vo):しばらく日本に来ることができなかったのはスケジュールの都合でもあったんだけど、日本が自分たちにとって一番大きなマーケットではないっていうこともあった。でも久しぶりの来日だったからなのか、『amo』のおかげなのかわからないけど、今年の夏のライブで反応がすごく良くて。自分たちを受け入れてくれるファンが日本にこんなにいるんだって手応えを感じたんだ。日本は大好きだから、こうして来られることや注目されていることは嬉しいよ。

BRING ME THE HORIZON の5thアルバム『That's The Spirit』を聴く(Spotifyを開く

BRING ME THE HORIZON(ぶりんぐ みー ざ ほらいずん)<br>左から:ジョーダン・フィッシュ(Key)、マット・キーン(Ba)、オリヴァー・サイクス(Vo)、マット・ニコルス(Dr)、リー・マリア(Gt)<br>2004年に結成、イギリス/シェフィールド出身の5人組ロック・バンド。2005年にヴィジブル・ノイズよりデビューし、フル・アルバムを3作リリース。2013年、初期メンバーギタリストのジョナが脱退し、新たにキーボーディストとしてジョーダン・フィッシュが加入。同年にアルバム『センピターナル』でRCA UKからのメジャー・デビューを果たす。2015年、通算5作目『ザッツ・ザ・スピリット』で、過去最高の全米・全英チャート初登場2位を記録。2019年1月、6作目『アモ』を発売し、キャリア史上初の全英チャート1位、そしてグラミー賞ノミネートを獲得。同年8月には約5年振りの来日を果たし<サマーソニック2019>へ出演、また新木場STUDIO COASTでの単独公演をソールドアウトさせた。
BRING ME THE HORIZON(ぶりんぐ みー ざ ほらいずん)
左から:ジョーダン・フィッシュ(Key)、マット・キーン(Ba)、オリヴァー・サイクス(Vo)、マット・ニコルス(Dr)、リー・マリア(Gt)
2004年に結成、イギリス/シェフィールド出身の5人組ロック・バンド。2005年にヴィジブル・ノイズよりデビューし、フル・アルバムを3作リリース。2013年、初期メンバーギタリストのジョナが脱退し、新たにキーボーディストとしてジョーダン・フィッシュが加入。同年にアルバム『センピターナル』でRCA UKからのメジャー・デビューを果たす。2015年、通算5作目『ザッツ・ザ・スピリット』で、過去最高の全米・全英チャート初登場2位を記録。2019年1月、6作目『アモ』を発売し、キャリア史上初の全英チャート1位、そしてグラミー賞ノミネートを獲得。同年8月には約5年振りの来日を果たし<サマーソニック2019>へ出演、また新木場STUDIO COASTでの単独公演をソールドアウトさせた。

―その状況は、『amo』でヒップホップ / トラップ、ビートミュージックを取り入れて、より多くの人にリーチするサウンドデザインを追求されたからこそ生まれたと思うんですね。角を取ったギターサウンドをはじめとして、より歌が際立つトラックになっていた部分にもそれが表れている。現行のポップミュージックに対して、ロックバンドが何かを刷新していく、ということにはどの程度意識的だったのでしょうか?

オリヴァー:そうだな、確かに意図的だったね。『That's The Spirit』ですごく手応えを感じたということもあって『amo』はとにかく自分たちがやりたいことをやり尽くす、という気持ちだった。慣れ親しんだ世界からさらに幅を広げようと、あえてリスクをとって挑戦した作品だと思う。

オリヴァー・サイクス(Vo) 11月16日 さいたまスーパーアリーナ公演より 撮影:Masanori Naruse
オリヴァー・サイクス(Vo) 11月16日 さいたまスーパーアリーナ公演より 撮影:Masanori Naruse

―それまでのファンがどう反応するかは気になりませんでしたか?

オリヴァー:それもあまり気にしないで、「このアルバムでやらなかったらいつやるんだ」っていう気持ちだった。言ってもらった通り、『amo』はヒップホップやダンスミュージック、アコースティックなど色んな音楽の良いところを取り入れて、自分たちなりに今のポップミュージックをとらえて作った作品だと言えるね。

BRING ME THE HORIZON『amo』を聴く(Spotifyを開く

デスコアバンドよりもポップバンドって呼ばれた方がまだましだな。(オリヴァー)

―敢えて突飛な質問をしますが、「自分たちはいまロックバンドをやっているんだ」っていう意識はどれくらいありますか。

マット・ニコルス(Dr):そうだな……人に聞かれたらロックバンドっていうかな。

ジョーダン(Key):自分たちがもともと始めたのはロックバンドだしね。オリー(オリヴァー)が言ったように俺たちの音楽は色んな音楽を取り入れているけど、ロックは曲作りをする際のセーフスペースっていうか。ロックがホームグラウンドとしてあって、新しいものを作るためにそこにポップとかダンスの要素を入れているっていう感じかな。


BRING ME THE HORIZON『amo』収録曲“sugar honey ice & tea”
マット・ニコルス(Dr) 撮影:Masanori Naruse
マット・ニコルス(Dr) 撮影:Masanori Naruse

―ご自身は、現代でロックバンドをやる意義とはどういうものだと思っているんですか。

オリヴァー:それはもう、自分たちのバックボーンとして絶対に変わらないものだよ。だから、どんなサウンドを取り入れようとも、ロックバンドをやってるっていう意識自体が俺たちにとって「変わらない部分」なんだよね。俺たちのことをポップだって言うのはだいたいメタルを聴いている人たちだし、ポップを聴いている人は俺たちをロックバンドだって思うだろう。

リー(Gt):特にライブを見れば、俺たちがロックバンドっていうのは間違いないよね。

リー・マリア(Gt) 撮影:Masanori Naruse
リー・マリア(Gt) 撮影:Masanori Naruse

ジョーダン:でも、人に何を言われようと、自分たちはやりたいことをやってるから関係ないよ。

オリヴァー:ああ。デスコアバンドよりもポップバンドって呼ばれた方がまだましだな。

ジョーダン・フィッシュ(Key) 撮影:Masanori Naruse
ジョーダン・フィッシュ(Key) 撮影:Masanori Naruse


BRING ME THE HORIZON『amo』収録曲“MANTRA”

―(笑)。こちらとしては、BMTHを「デスコアバンド」と限定したことが一回もないんですね。というのもジャンルとしてでなくてロックという概念、つまり定型を守るためではなく、それを突き破って更新していくために鳴らすのがロックバンドだということを、作品ごとにこれほど体現してきたバンドもいないと思うからなんですよ。

オリヴァー:ジャンルに関係なく、音楽をやっている以上は誰でも進化し続けたいと思っているだろうし、聴いてる側も自分の好きなアーティストには進化してもらいたいと思ってるんじゃないかな。ラジオでかかるような、「売るために作られたポップミュージック」を除けばね。

オリヴァー・サイクス(Vo) 撮影:Masanori Naruse
オリヴァー・サイクス(Vo) 撮影:Masanori Naruse

オリヴァー:ジャンルって便利だと思うし、音楽を色んな風に形容して、売りやすいキャッチコピーをつけるのはいいと思うけど、ジャンルのさらにその下にもサブジャンルがいっぱいあるだろ? 俺たちは一つのサブジャンルの枠に自分たちを収めるようなバンドじゃないし、そういうのを付けられると音楽が狭まって、あまり意味がないと思うんだよね。それだと、俺たちがやりたいこととは違ってしまう。

だから別になんて呼んでくれてもいいよ。俺たちがロックだとして、それを好きかどうかは聴く人が判断すればいいと思う。


BRING ME THE HORIZON『amo』収録曲“Medicine”

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December 25, 2019 at 04:00PM
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